占いのお陰でシンデレラになれました！～奇跡の偽装結婚

「それと…もうひとつ。
伶佳と優紀の離婚が成立した。」

「えっ！？」



伶佳さんのことは、優紀さんが許すんじゃ…
あ、そっか…一旦は離婚するけど、またしばらくしたら復縁するってことか…



「この離婚は、俺にとって何よりも嬉しいことだ。」

「那月…やめろよ。
あかねさんもいるんだし。」

「いや、やめない。
この際だから、あかねにも聞いてもらう。
良いか、優紀…今度こそ、さーやと結婚するんだ！
もう二度と本当の気持ちを偽るな！」



え！？優紀さんが沙也加さんと…？
一体、どういうこと！？



優紀さんはちょっとむっとした顔で、ワインをぐいと飲みほした。



「それを言うなら、僕だって言わせてもらうぞ。
あかねさんの前でこんなことを話すのはなんだけど…
おまえこそ、さーやのことが好きなんだろ！」



（え……！？）



那月さんが沙也加さんを…？
言われてみれば、確かにそんな雰囲気はあったけど…
沙也加さんをみつめる那月さんの目…ものすごく優しかったし。



「おかしなことを言うな。
あかねが戸惑ってるじゃないか。
俺が、さーやのことを好きなのは、妹みたいな気持ちでだ。」

「嘘を吐くな。
おまえは恋愛対象として、さーやを愛している。
僕はそれを知っていたから…」

「なんだと！？知ってたから、伶佳と結婚したなんて言ったらぶっ飛ばすぞ！
俺は、本当にさーやが好きなら、おまえなんかに譲ってもらわなくても、自分の力でものにする！
俺が愛しているのはあかねだ。
だから、あかねと結婚した。」



びっくりはしたけれど…
それは、真実とは違う。
那月さんは、嘘を吐いてる。
それは、逆に言えば、沙也加さんのことを愛してるっていうのが本当だってこと。