占いのお陰でシンデレラになれました!~奇跡の偽装結婚
「那月…本当なのか?
本当におまえは、さーやのことを愛してないのか?」

「だから…妹としては愛してる。
あいつのことはとても大切に想ってる。
でも、恋愛対象じゃない。
おまえの勘違いだ。
だから、俺に遠慮なんかするんじゃない。
さーやと結婚して、あいつを幸せにしてやってほしい。」

「那月…その言葉、本気にして良いのか?」

「当たり前だ。
俺には、あかねがいるからな。」

そう言って私をみつめた那月さんの目…なんだかすごく哀しい色をしていた。



(那月さん…沙也加さんのことが好きなんだね…)



「優紀さん、那月さんは外ではけっこうクールにしてますけど、二人っきりの時は意外といちゃこらしてるんですよ。
ね?那月さん?」

那月さんが必死で嘘を吐いてるから、私もその嘘に加勢した。
ちょっとやりすぎだったのか、那月さんは複雑な顔をして苦笑してたけど…



「優紀…さーやのことは頼んだからな。」

優紀さんは何も言わず、ただ小さく頷いた。



本当に…?
本当に優紀さんは沙也加さんと再婚するんだろうか?
確かにお似合いの二人だけど…



(那月さんはそれで後悔しないのかな?)



そのことだけが、私は気がかりだった。
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