占いのお陰でシンデレラになれました！～奇跡の偽装結婚

「あかねさん、大丈夫？」

沙也加さんは、ハンカチで私の涙を拭ってくれた。
とても良いにおいがする綺麗な花柄のハンカチで。



「ごめんなさいね、あかねさん。
私の態度があなたを誤解させたのね。
でも、本当に私となっちゃんは、お互いに家族みたいな存在だから。
ゆうくんとはね…私が高校生の時から付き合っていたの。
いずれは結婚するものだと思ってた…
だけど、ゆうくんはなかなかプロポーズしてくれなくて、私の体調の悪化した時期もあって、一時、疎遠になってたの。
仲直りのきっかけが掴めなくて焦っていたら…ゆうくんは伶佳さんと結婚した。
私…その時、死んじゃうんじゃないかって思った程、辛かったわ。」

「ちょっと待てよ…
高校の時から付き合ってただって？
俺、そんなこと、聞いてないぞ。」

「そうね、四人で会うことが多かったし、なんとなく話すのが気恥ずかしかったから。」



沙也加さんはそう言うけど…優紀さんが那月さんのことを気遣って、沙也加さんと付き合ってたことを話さなかったんじゃないだろうか？
うん、きっとそうだ…！