占いのお陰でシンデレラになれました!~奇跡の偽装結婚




「ついに、明日ですね。」

「そうだな…やっと、って感じだな。」



沙也加さんと優紀さんの結婚式の前日…
私と那月さんは、居間でお茶を飲んでいた。



「あかね…言っておきたいことがある。」



いつになく真面目な顔をして、那月さんは小さな声でそう言った。
なんだかすごくいやな予感がした。



「な、なんですか!?」

思わず声が震える。
体まで震えてしまいそうに、私は酷く嫌なものを感じた。



「……俺と……別れてくれ。」



絞り出すようなかすれた声で、那月さんはそう言ったのだ。
私は、一瞬、パニックになってしまい…今の那月さんの言葉を思い返した。



『……俺と……別れてくれ。』



那月さんはそう言ったの?
まさか…そんなこと言うわけない。
最近、何か大きなトラブルがあったってわけでもないし、変わったことも何もなかった。



そうだ…きっと、私の聞き違いだ。



「あの…那月さん…
今、何て…?」

那月さんは俯いたままで答えた。



「別れようって言ったんだ。
優紀と沙也加が結婚したら…
俺達は別れよう…」

「えっ!?」



聞き違いじゃなかった…
那月さんは、確かに私と別れようって言ったんだ。
その現実に、私は脳天をハンマーで殴られたような衝撃を受けた。
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