占いのお陰でシンデレラになれました！～奇跡の偽装結婚

部屋は、当然ながら、優紀さんと沙也加さん…そして、私と那月さんが同室だった。
この旅行で、唯一辛いのが夜だった。
だって、家では寝室は別なのに、今回の旅行では同じ部屋。
那月さんも気を遣ったのか、最初の晩は居間のソファで寝ると言い出して、それなら私が居間で寝ますと言ったら、いや、俺がそうするって、お互いに譲らずなかなか話がまとまらなくて…
で、結局、二人共寝室で寝ることになったのだけど、すぐ隣のベッドで那月さんが寝てると思うと、私はなかなか眠れなかった。



夜中にふと目が覚めて…その時、ちらりと見た那月さんの寝顔に、どきっとした。
結婚して二年程経ったけど、那月さんの寝顔を見たのは初めてだったから。
二年も同居してて、寝顔さえ見たことなかったんだって思ったら、なんだか、とても寂しい気持ちになった。



馬鹿だな…
私達は仮初めの夫婦なんだから、そんなの当然のことなのに…



別れを切り出されてからというもの、私と那月さんの間にはずっと気まずい雰囲気が漂っている。
お互い、自然に振舞おうとしてるけど、でも、わかる…
お互いに無理してるってことが…
沙也加さん達に、その気まずさがバレないかと心配だったけど、それはなんとか大丈夫だったようだ。



（旅行もあと少し…
楽しまなきゃね…）