占いのお陰でシンデレラになれました！～奇跡の偽装結婚

ホテルの部屋は、多分スイートか何かでけっこう広い。
もちろん、寝室も別だ。
見せかけだけの新婚旅行だもん。
そんなの当たり前だけど…



でも、この先もずっとこのままなんだろうか？
一緒に暮らしてるうちに、愛が芽生えたりするのかな？
まぁ、私が那月さんを好きになることはあるかもしれないって思えるけど、那月さんが私を好きになることはありえないよね、やっぱり。



結婚式に来てた人達も、いかにもお金持ちそうで、綺麗な人ばかりだったもん。
皆、思ってるよ。
なんで、あんな冴えない女と結婚するんだろう？って。



私達がこのままだと子供が出来るわけもなく…
そしたら、親御さんは何か言わないだろうか？
きっと、莫大な資産を持ってらっしゃるだろうから、後継ぎは絶対に必要だよね。
あ…お兄さん夫婦に子供がいれば問題ないか。
じゃあ、子供問題は心配することなし！？



そういえば、私…まだ那月さんのご家族のこともまだほとんど知らない。
教えてもらったのは名前と年齢くらいのものだもの。
まだ落ち着いて話したことすらない。



きっと、ご両親は私みたいな嫁は不服だと思う。
お兄さんもきっとそうだよね。



私みたいな者を親族とはきっと認めてもらえないだろうな…
そんなことを考えたら、ちょっと寂しい気持ちにはなったけど…
きっと、仕方ないことなんだ。
だって、私と那月さんは、訳ありの夫婦なんだから。