占いのお陰でシンデレラになれました!~奇跡の偽装結婚
その後も私達の新婚旅行は続いた。
フランス、ドイツ、イタリア…
今までテレビでしか見たことのなかった国に行って、いろんなものを見て、美味しいものをいっぱい食べて…、服も何着も買ってもらった。靴やバッグだって。
あぁ、私…もしかして、死んじゃったんじゃないだろうか?
毎日がまるでパラダイスだもの。
今でもどこか現実感が感じられない。
なんと、そんな贅沢な新婚旅行は三週間近くも続いて…



本当にお金は大丈夫なのかな?
心配だけど、聞いたらまた「つまらないことを言うな!」って言われそうだから聞けない。
でも、本当に心配だ。
カードは持ってるって言ってたけど、限度額は一体どのくらいなんだろう?
楽しい反面、カード破産とかしないだろうか?と、気が気じゃなかった。



そして、いよいよ、明日は帰国の日。



「移動が多くて疲れなかったか?」

「いえ、大丈夫です。」

私、体はけっこう丈夫なんだよね。



「そうか…それなら良かった。
それで…近いうちに顔合わせというか、食事会をしたいと父上が言ってるのだが…」

「食事会…ですか?」

「身内だけのものだから心配はない。
ただ、その場ではいろいろなことを訊ねられるかもしれない。
どこで出会ったとか…そういう他愛ないことだが。
日本に戻ったら、そのための打ち合わせをしておこう。」

「はい。」


< 57 / 177 >

この作品をシェア

pagetop