占いのお陰でシンデレラになれました！～奇跡の偽装結婚

え…お茶ならあるのに、なんで？
そう思いつつも、余計なことを言って叱られるのはいやだから黙って待ってたら、和代さんがカップと紅茶の入ったポットを持ってきた。
那月さんは、トレイにカップを載せる。



「さぁ、やってみろ。」

「え？」

何をやれって言うんでしょうか？
私はわけがわからず、ぼーっとしてた。



「だから…そのトレイを持って、俺に注文を取ってみろ。」

「え？あ、は、はい！」

そこまでやる必要あるんでしょうか？
疑問は感じつつも、とりあえず、言われた通りにやってみる。



「え…えっと…いらっしゃいませ。」

「『えっと』はいらない。
それにトレイの持ち方が変だ。
こうだろ。」

「は、はい。」

トレイの持ち方を矯正された。
でも、片手で持つって意外と難しい。



「いらっしゃいませ。
ご、ご注文は？」

「『ご注文はお決まりですか？』だろ？」

「は、はい！ごちゅ…あーー！」

緊張したせいか、トレイをひっくり返してしまった。
幸い、カップには何も入ってなかったし、割れもしなかったけど…



「『あーーー！』じゃなくて、『申し訳ありません』だ！」

「も、申し訳ありません！」

って、そんなことまで言わせる！？
私は慌てて、カップとトレイを拾った。