占いのお陰でシンデレラになれました!~奇跡の偽装結婚
「いらっしゃいませ、ご注文はお決まりですか?」

無理やりに口角を上げ、片手でトレイを持って、注文を聞く…



「……よし。なんとか形になって来た。」

那月さんからそう言ってもらえたのは、多分、一時間以上経ってからのことだった。



「では、次は、カップにお茶を入れて運んで来てみろ。」

え?なんですと。
まだ、喫茶店ごっこをやれっていうの?
注文を取れるようになっただけでは、まだ足りないと!?
私の目が点になってることも構わずに、那月さんはカップにお茶を注ぎ入れる。
……そうですか。
わかりましたよ、はいはい。
那月さんに盾突けるわけもない。
私は開き直った。



「じゃあ、そこから。」

リビングの端っこから、カップを持って運んで来る。



「お待たせいたしました。」

ソファーに座る那月さんの所まで、お茶を運んで、テーブルに載せる。
緊張したせいか、手が震えて、置く時にカップの中のお茶が少しこぼれた。



「やり直し。」

「……はい。」

そうだよね…そうだと思ったよ。
私はまたリビングの端っこに戻った。
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