占いのお陰でシンデレラになれました！～奇跡の偽装結婚

「え…と…その……」

なんて言えば良いんだろう？
なかなか頭がまとまらない。



「くまのぬいぐるみを買った時、お前は言ってた。
今までずっと貧しくて、必要じゃないものはなかなか買えなかったし、住んでた家も可愛いぬいぐるみを置いても似合う家じゃなかった…と。
そんな悲しい想いをしていたのなら、貧乏から脱出したいと考えるのではないのか？」

その言葉を聞いた時、なんだか馬鹿にされてるみたいで無性に腹が立った。



「あ、あなたとはスタートラインが違うんです！」

「スタートライン…？」

「あなたみたいな裕福なお家に生まれたら、そりゃあ、貧しい人間の暮らしなんてわからないですよ！
女手ひとつで子供を育てることの大変さも何もわからないくせに！」

なんだか気持ちが高ぶって、涙が込み上げた。
私はいたたまれなくなって、その場から逃げ出した。