占いのお陰でシンデレラになれました！～奇跡の偽装結婚

「那月君、奥さんを紹介しておくれよ。」

「はい、妻のあかねです。」

「は、初めまして、皆さん。あかねです。」

沙也加さんやご両親たちの視線が痛い。
恥ずかしいから、見ないで～！って、心の中で叫びたくなった。



「あかねさん、初めまして。
沙也加の父の青山真一です。」

「は、初めまして！」

「こちらが妻の律子、息子の翔、そして…あ、沙也加…とは最近会ったんだよね？」

「は、はい。」

「いやぁ、しかし、那月君があかねさんのような方と結婚するとは思っても見なかったよ。」

「あなた…失礼ですわよ。」

「何も僕は悪い意味で言ってるんじゃないぞ。
むしろ、こういう方と結婚したことを良かったと思ってるんだから。」



いまひとつ、お父さんの真意がわからないので、私はいつもの愛想笑いを浮かべるしかなかった。
お父さんはにこやかに話されるから、悪意は感じないものの『こういう人』っていうのが、何かひっかかるよね…



「確かに、那月の好みのタイプとあかねさんは違うような気がするな。
それはつまり、遊びと本気は違うってことなのかな？」

今度は、お兄さんがそんなことを言いだした。