歪な光
そんな、私たちに、またまた水をさす宮城の声が聞こえた。





「真白の親御さんがもう来るぞ」






「わかりました」





遠くから二人は言葉を交わし、瞬は調書を書き終える。





私は急いで、生徒手帳を胸ポケットから出して、シャーペンで名前と電話番号を書いて瞬の手に握らせた。





「私を助けたいと思うなら、瞬くんが助けに来て」






真剣に見つめると、驚愕した大きな瞳に私が映ってる。





そう、あなたに助けて欲しいんだ。





あなたに見つめてもらいたいんだ。





私はゆっくり、手を離し笑顔を作った。






「行かなきゃね」





瞬の言葉を待たずに、私は出口に向かう。瞬も慌てて私に追いついて、誘導してくれた。






一緒に歩く横顔は、迷いに揺れているのがわかる。






大人を困らせることしか出来ないけど、救いを求める方法が見つからないんだもん。







でも、きっとこの人は違うってシンパシーを感じる。






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