歪な光
家で待っているのは、いつもと同じ暴力と暴言だ。





これだけは、何度されても私の身体と心は慣れてくれない。




「何度言ったらわかるのよ‼︎」





お酒を呑みながら、気分をより高揚させて怒鳴りつける。母の怒りを隣で男はニヤニヤ笑いながら、タバコをくわえながら見ていた。





強く壁に打ち付けられても、誰も心配なんてしてくれない。酒の力が入る母は、ただの恐怖でしかないのだ。







「家出するなら、警察に見つからないように上手くやりな。本当に同じことを何度も何度も!あんたみたいな、欠陥品。本当産まなきゃよかったよ」






頭や服を着ている場所を執拗に殴り続け、そんな罵声を上げる。






だったら、産まなきゃよかったじゃないかと、心の中で強く思った。





でも、それを口にできず、私は泣きながら謝ることしかできないんだ。





無力な自分が大っ嫌い…





なんで謝ってるか分からないけど、口が勝手にそうやって言うんだ。





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