歪な光
だから、優しい瞬に、嘘はつきたくないが、心配もかけたくないと思った。






「いつも通り…。
ねえ、瞬ちゃんお休みの日に遊んでよ」





もう、こんな暗い話はしたくないから、話しを変える。私は明るい声で言ってみた。







貴重な電話の時間をただの相談所みたいに使いたくない。








けれど、そんな私とは違い、瞬は電話越しでも動揺しているのが分かる。





「そ、そんなことダメに決まってるでしょ…。僕は警察官、君は…」






「女子高生です!だから何?お互い制服を脱いだら普通の人でしょ」





私は瞬の言葉を遮るように言った。
断られることは想像できてた、私は高校生で彼は警察官。





二人が一緒にいたら、世間的には問題かもしれない。





でも、制服を脱ぎ捨てたら、二人が女子高生と警察官なんて、誰が見抜けるというのだろう。






私の言葉に、困っている瞬を感じながら、言葉を続ける。





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