歪な光
「じゃあ、瞬ちゃんはどうやって私を助けてくれるの?」






困らせる質問しか出てこない。モヤモヤして、苛々してしまう。
でも、瞬に嫌われるのは嫌だ。





こういう時、どうやって関係を進めたらいいのか分からない。そんな、稚拙な自分が凄く悔しく感じる。






「真白ちゃん、じゃあ、今日初めて会ったばかりだから、真白ちゃんのこと教えてくれないかな?」






稚拙な私と違って、瞬は冷静で優しい声色で私と向き合ってくれた。






こんなに優しく私と向き合ってくれる人は、亡くなった祖母しか知らない。






私に、再び優しさを与えてくれる人が現れたんだ。






その声に安堵して、さっきまでのどうしよもないモヤがかかった感情が晴れていく。





「そうだね。焦っちゃダメだよね」







「僕は、真白ちゃんの味方だから。安心して君のことをたくさん教えて?」






味方…





上辺でもその言葉が凄く嬉しくて、心に沁みてくる。





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