歪な光
パトカーに入ると、運転席に彼は座ってしまった。





私の隣はいつも通りの宮城だ。





「ねえ、そろそろ教えてよ。宮城さんの新しい相棒は何さん?」





「森岡瞬です。今月からこの地域の担当になりました」





瞬は運転席か、振り向いて私にマニュアル通りの挨拶をしてくれた。





「私、浅川真白。この地域の常連です」





そういって、自己紹介する私に、宮城は一言「バカ」と一喝した。





でも、本当の話。





世間では私は、ただの非行少女でしかないのだから。





家に帰りたくない理由も関係なく、警察官は保護して保護者に私を返す。





ただそれだけの任務だということを、私も知っている。





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