歪な光
私から瞬に猫が移動したとき、また、純粋な瞳で私を瞬は見てきた。





「名前、どうしたい?」





この人は純粋といえば純粋な人だけど、変わった人だな。





でも、そんな瞬の言葉に、私は自然に笑みが零れた。






「じゃあ、レイン…雨の日に出逢ったから」






単純な付け方だけど、私にはとても大切な記念日だから。






雨なんて嫌いだったけど、瞬と初めて出会えたこの日を忘れないように、私は猫ちゃんに『レイン』と、名付けた。







「レイン、いい名前だね」






瞬は笑顔でそういうと、走ってマンションに入って行った。






「全く、あいつは優しすぎるな」






呆れたように言う宮城にも、優しい笑みが見えた。人を優しくさせる不思議な人。







私は瞬に惹かれていった。





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