脳内☆彼氏
「な、何で…」
「だってお前、毎日俺の横に立ってんじゃん。」
「あれは!…私ハブられてるから、女子の端っこしか場所空いてなくて…!」

本当だった。部長の定位置の隣になってしまうのは、本当に不可抗力。
でも、部長が不機嫌な顔になったのに気付いて、慌てて付け足した。

「だって、部長みたいなカッコいい人をこんなブスが好きになるって、キモいでしょ。」
「へぇ、俺の事カッコいいって思ってるんだ?」

しまった!墓穴!?

「…だって!今キモいって思いましたよね?だから、有り得ないです!」
私は必死ではぐらかした。否定しすぎると、部長を敵に回す。
「絶対ないですから!」

部長が突然噴き出した。
「なに、カマかけたと思ってんの?マジウケるんだけど!」
「…ですよね!」
私はホッとした。プライド傷付けずにすんだみたい?


部長はため息をついて立ち上がった。
「個人練習なんか、しても無駄だったな。出るぞ。」

さっさと出て行く部長について、準備室を出た。


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