脳内☆彼氏
それ以上、捨華は何も言わず、何となくギクシャクとその日は過ぎていった。
次の朝、教室に入った途端に声を掛けられた。
「かの!」
「…めぐ?」
小学校のことの私の親友。中学に入った途端、新しい友達を作って、私の事なんか半分無視だったのに…何?
「一緒にトイレ行こ!」
私は回りを見回した。めぐはそれに気付いて答えた。
「真央?今日は休みだよ。風邪だって!」
「ああ…」
私は納得して、めぐと一緒にトイレに向かった。その日は、ずっとめぐとベッタリ一緒にいた。
体育のバスケのパス練習も、お弁当も、授業の合間のわずかな時間さえ。
嬉しかった。たとえ代役でも。ひとりじゃない、守られてる感覚。久しぶりの安堵感。
だけど、同時に寂しい事実も突き付けられていた。めぐもちょっと前までの私と同じ、単に一人でいるのが怖いから、今日は我慢して性格合わない私にくっついているという事実。
だって、今まで半無視してた言い訳すらしない。私とめぐはケンカしてて、今仲直りしたんじゃない。単にめぐは新しい友達に出会うまで、一人になりたくないから仕方なく、私と一緒にいたんだ。めぐと私は、元々親友なんかじゃなかった。
それとも、これが正しい友達の在り方なんだろうか?お互いがお互いを外界から守る殻にしているヤドカリ。相手に求めるのは居心地の良さだけ。もっと居心地の良い相手を見つけたら、さっさと乗り換える。私はその宿探しから弾き出されただけ?
私は、ゾッとした。私にとっての友達は、そんな存在ではなかった。
私の全部を…いい所も嫌な所も全部ひっくるめて理解し、認めてくれて好きになってくれる存在。お互い何の不安もなく本音を言いあって、分かりあえる人…それを親友と呼ぶのだと思っていた。
それを他人に求めるのが無茶な話だったのだとしたら…めぐが、私を厚かましく思って逃げたのも当然だった。
他人にそこまで求めちゃいけない。皆それぞれの考えや好き嫌いがあるんだから。
じゃあ私には、これから先そんな人は現れないの?
私は、耐え切れない寂しさにギュッと両腕を抱き締めた。
私にはいない。求めてもいけない。
私の全てを理解して、愛してくれる人…
…いた。
私は振り返って、後ろに立つ捨華を見た。
次の朝、教室に入った途端に声を掛けられた。
「かの!」
「…めぐ?」
小学校のことの私の親友。中学に入った途端、新しい友達を作って、私の事なんか半分無視だったのに…何?
「一緒にトイレ行こ!」
私は回りを見回した。めぐはそれに気付いて答えた。
「真央?今日は休みだよ。風邪だって!」
「ああ…」
私は納得して、めぐと一緒にトイレに向かった。その日は、ずっとめぐとベッタリ一緒にいた。
体育のバスケのパス練習も、お弁当も、授業の合間のわずかな時間さえ。
嬉しかった。たとえ代役でも。ひとりじゃない、守られてる感覚。久しぶりの安堵感。
だけど、同時に寂しい事実も突き付けられていた。めぐもちょっと前までの私と同じ、単に一人でいるのが怖いから、今日は我慢して性格合わない私にくっついているという事実。
だって、今まで半無視してた言い訳すらしない。私とめぐはケンカしてて、今仲直りしたんじゃない。単にめぐは新しい友達に出会うまで、一人になりたくないから仕方なく、私と一緒にいたんだ。めぐと私は、元々親友なんかじゃなかった。
それとも、これが正しい友達の在り方なんだろうか?お互いがお互いを外界から守る殻にしているヤドカリ。相手に求めるのは居心地の良さだけ。もっと居心地の良い相手を見つけたら、さっさと乗り換える。私はその宿探しから弾き出されただけ?
私は、ゾッとした。私にとっての友達は、そんな存在ではなかった。
私の全部を…いい所も嫌な所も全部ひっくるめて理解し、認めてくれて好きになってくれる存在。お互い何の不安もなく本音を言いあって、分かりあえる人…それを親友と呼ぶのだと思っていた。
それを他人に求めるのが無茶な話だったのだとしたら…めぐが、私を厚かましく思って逃げたのも当然だった。
他人にそこまで求めちゃいけない。皆それぞれの考えや好き嫌いがあるんだから。
じゃあ私には、これから先そんな人は現れないの?
私は、耐え切れない寂しさにギュッと両腕を抱き締めた。
私にはいない。求めてもいけない。
私の全てを理解して、愛してくれる人…
…いた。
私は振り返って、後ろに立つ捨華を見た。