脳内☆彼氏
(けれど今、花音は私…自分を好きと言ってくれました。だから私は私に戻れたのです。)
(待って!私は「捨華」が好きなの!「自分」が好きなんじゃないよ!)
(同じ事です。あなたは誰かに自分の全てを愛され理解されなければ、生きていけない。私ならそれが出来る…花音自身なのだから。)
(…確かにそうかもね。そんな都合のいい人、自分自身しかいない。)
(あなたはもう、そんな他人を求めなくてもいい。私はあなたなのだから、あなたは自分一人で立っているのと同じ事です。)
(私もようやく人並み…って事…?)
私はホッとしたような寂しいような、微妙な気分だった。
(あんたが私で嬉しいよ。冷静で厳しくて優しい…そんな部分が私の中にもあったのなら。)
捨華はフワリと微笑んだ。その姿は頭の中に消えてしまいそうに、儚く透けていた。
…お別れ、なんだろうか。
私はわざと明るく聞いた。
(これで、私は一人でも大丈夫ってわかったんだし!捨華も花音に還るんだよね?)
私は伸びをして、涙目をごまかした。
(これで私も妄想少女卒業かあ…)
捨華は申し訳なさそうに、うつむいた。
(それが…無理です。)
(へ?)
(私が『捨華』となって数年…永すぎました。私は完全な別人格として育ちきってしまった。…もう、『花音』には戻れません。)
私は、ぽかんと口を開けた。
(…どういうこと?)
(つまり…)
捨華は、うやうやしく私の手を取った。
(これからもよろしく、という事です。)
捨華は、この上なく上機嫌で私を抱き寄せた。
(…待って!それじゃ私、ナルシストの二重人格って事になっちゃうじゃん!)
(今までずっとそうでしたよ。自覚出来て良かったですね♪)
(待…っ!ちょっと!嫌ぁぁぁ!)
そんな訳で、私の彼氏は今も私の脳内にいるのです…
end
(待って!私は「捨華」が好きなの!「自分」が好きなんじゃないよ!)
(同じ事です。あなたは誰かに自分の全てを愛され理解されなければ、生きていけない。私ならそれが出来る…花音自身なのだから。)
(…確かにそうかもね。そんな都合のいい人、自分自身しかいない。)
(あなたはもう、そんな他人を求めなくてもいい。私はあなたなのだから、あなたは自分一人で立っているのと同じ事です。)
(私もようやく人並み…って事…?)
私はホッとしたような寂しいような、微妙な気分だった。
(あんたが私で嬉しいよ。冷静で厳しくて優しい…そんな部分が私の中にもあったのなら。)
捨華はフワリと微笑んだ。その姿は頭の中に消えてしまいそうに、儚く透けていた。
…お別れ、なんだろうか。
私はわざと明るく聞いた。
(これで、私は一人でも大丈夫ってわかったんだし!捨華も花音に還るんだよね?)
私は伸びをして、涙目をごまかした。
(これで私も妄想少女卒業かあ…)
捨華は申し訳なさそうに、うつむいた。
(それが…無理です。)
(へ?)
(私が『捨華』となって数年…永すぎました。私は完全な別人格として育ちきってしまった。…もう、『花音』には戻れません。)
私は、ぽかんと口を開けた。
(…どういうこと?)
(つまり…)
捨華は、うやうやしく私の手を取った。
(これからもよろしく、という事です。)
捨華は、この上なく上機嫌で私を抱き寄せた。
(…待って!それじゃ私、ナルシストの二重人格って事になっちゃうじゃん!)
(今までずっとそうでしたよ。自覚出来て良かったですね♪)
(待…っ!ちょっと!嫌ぁぁぁ!)
そんな訳で、私の彼氏は今も私の脳内にいるのです…
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