鬼部長に溺愛されてます

弾かれたように身体を反転させ、桐島さんに向き直る。


「本当ですか!? いつ決まったんですか? どこに戻るんですか? いつ引っ越してきますか?」


嬉しさを隠しきれず興奮気味にいくつも質問をぶつけると、桐島さんは「少し落ち着け」と笑った。

これが落ち着いていられるわけがない。
桐島さんが戻ってくるのだ。


「決まったのは二週間くらい前だ」

「それなら、どうして早く教えてくれなかったんですか」


つい不満をぶつけてしまう。


「会って直接言いたかったんだ。麻耶の顔をきちんと見て言いたかった」


そう言われてしまうとなにも言えなくなる。


「部長として流通戦略部に戻ることになった」


今日はそういうわけでその部署にいたのか。

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