鬼部長に溺愛されてます

信じられない。


「なんだ不満か」

「違います! 嬉しすぎて信じられないんです!」


ドキドキしてワクワクして、騒ぎはじめた全身の細胞を宥める術がない。今すぐこの場で踊りだしてしまいたいくらい。
思わず桐島さんにギュッと抱きついた。


「……そうだ。お祝いしましょう!」


桐島さんがせっかくケーキとシャンパンを用意してくれているのだし。


「それじゃ俺が持ってくるよ」


脱いだシャツを羽織ってべッドから抜け出た桐島さんは、隣の部屋からケーキとシャンパンを運んできてくれた。
素肌に毛布を巻きつけて起き上がった私に、彼がシャンパングラスを差しだす。


「改めて、麻耶、誕生日おめでとう」

「桐島さんも本社復帰おめでとうございます」


グラスを合わせてシャンパンで口を潤す。

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