鬼部長に溺愛されてます
「大事な報告がもうひとつある」
「……なんですか?」
突然の真剣な眼差しが、私に緊張を強いる。
すると桐島さんは後ろに隠していた握り拳を前に差しだした。
「これは麻耶の分」
「え……?」
わからないまま反射的に手をだすと、私の手の平に桐島さんが握っていたものをのせる。
「……これは?」
それは鍵だった。
「マンションの鍵」
「桐島さんが住む部屋の鍵ですか?」
合鍵をくれるってこと?
手の平にのった鍵を見てから桐島さんを見ると、彼は首を横に振った。
「俺と麻耶が住む部屋。麻耶、一緒に暮らそう」