鬼部長に溺愛されてます
「麻耶だって、俺の裸は見てるだろう?」
「み、見てません!」
さっきだってとっさに目を逸らしたのだから。
「とにかく、もう少しおとなしく休め」
額にキスをひとつ落とされ、もう黙るしかなかった。
せっかく桐島さんが作ってくれた時間だったのに、大事なところで倒れるなんてがっかりだ。
「麻耶、今度ふたりで温泉にでもいくか」
桐島さんが唐突に提案する。
「……急にどうしたんですか?」
「いや。麻耶とふたりで旅行したこともなかっただろう」
確かにそうだけれど。
「でも……忙しいのに大丈夫なんですか?」
「麻耶はいきたくないのか」
「い、いきたいです!」