鬼部長に溺愛されてます
大勢の中で我慢しながらの旅行じゃなく、ふたりきりだなんてまるで夢みたい。
早くも始まった妄想は、頭いっぱいに広がっていった。
急に機嫌の良くなった私を見て、桐島さんがクスッと笑みを漏らす。
「……なんですか?」
「麻耶を見てると飽きないよ」
「……どういう意味ですか?」
「こういう意味」
桐島さんの唇が私に触れる。
湯あたりは一気にどこかへ消え去っていったのだった。
―番外編①END―