鬼部長に溺愛されてます

これだから私は、いつまでたっても桐島さんにおちょくられるばかりなのだ。


「ほら、おみくじ引きにいくぞ」


ぐいと腰を引き寄せ、彼は巫女さんの待つ方へと私を誘導した。

桐島さんのアメとムチに、いつも踊らされてばかりの私。それがとても癪だけれど、桐島さんを相手にして敵うわけもなく、そんな自分に納得がいかないまま引いたおみくじは、起死回生の大吉だった。


「やった!」


今年は幸先がいいらしい。
喜ぶ私の隣で、桐島さんがなぜか浮かない顔をする。


「どうかしたんですか?」


私が聞くと、無言のままおみくじを差し出した。


「……え?」


それを見て、私まで言葉に詰まってしまった。
お正月から大凶を引くなんて……。

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