鬼部長に溺愛されてます
◇◇◇
ミオリから私のスマホに連絡が入ったのは、彼が帰ってしばらくしてからのことだった。
『麻耶、今日は先に帰っちゃってごめんね』
「ううん、大丈夫だよ」
おかげで桐島部長と思いがけない時間を過ごせたからとは、もちろん口が裂けても言えない。しかも私の部屋についさっきまで彼がいたなんてことは絶対に。
「誠吾とのデートは楽しかった?」
『うん。実はまだ一緒だけどね』
ミオリが意味深に笑う。
「もしかして今、ミオリの部屋?」
『ピンポーン。誠吾はただ今シャワー中』
無意識にその後のふたりを想像してしまって、私ひとりがどぎまぎする。
「……ミオリはいいな」
つい本音がポロリと零れた。