鬼部長に溺愛されてます
『麻耶も恋をしなさい、恋を』
恋ならしていると素直に白状できたらいいのに。
相手が桐島部長だと言ったら、ミオリはどんな顔をするだろう。普段の彼に対する言い方からして、男を見る目がないと言われる可能性もある。
「私のことはいいの。ミオリこそ、誠吾とのことがばれないように気をつけてよね? 私、どちらかが遠くに飛ばされちゃうのは嫌だからね?」
『大丈夫だってば。誠吾はわからないけど、私は絶対に大丈夫』
その自信はいったいどこからくるというのか。
今はまだ社内で私しか知らないかもしれないけれど、今後長く付き合っていけば、どこかで誰かに目撃されないとも限らない。
『そうだ。そんな話をしようと思って電話したわけじゃないの』
ミオリが急に話題を変える。
『麻耶は明日、なにか予定入ってる?』
「ううん、特になにも」