鬼部長に溺愛されてます

これでもう少しだけそばにいられると思うと嬉しくて仕方がない。
この頃、なにかにつけて彼との思いがけない時間を過ごせている気がする。
心が弾む偶然の連続は、桐島部長への想いをさらに募らせた。

会話もなく静かな車内は以前だったら窮屈で仕方がなかっただろうに、居心地の悪さをまったく感じない。
それはきっと、少しずつ見せられている桐島部長の素顔に私の思っていたとおりの優しさが見え隠れしているからだろう。

このままずっと私のマンションに着かなければいいのにと願わずにはいられなかった。




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