鬼部長に溺愛されてます
全身で拒絶され、あれほど冷たくあしらわれたというのに、私の彼への想いは消えるどころか逆に膨らむいっぽう。
あの夜、私の頬に触れた部長の指先から感じたものを信じたい。
そうとはいえ、どうしたらいいのかもわからずにいた。
「社長の目にも入っちゃった以上、なんらかの処分を覚悟した方がいいかもしれないね」
「だけど、私たちはそんな関係じゃないのに……」
私の一方的な片想いなのだから。
「わかってる。でも社内恋愛禁止だって号令をかけている部長自身が、ああいうところを写真に撮られたとなると話は別じゃない?」
それじゃ、部長が異動させられることもあり得るの?
私だけならまだしも、部長がそんな目に遭わされるのなんて絶対に嫌だ。
「そもそも、あの写真を撮った人に心当たりはないのか?」
誠吾の質問には、首を横に振るしかなかった。