鬼部長に溺愛されてます
彼はあのメールを訂正する気がまったくないのだ。
これ以上、ここでこの人とやり合っても無駄な時間を過ごすだけ。こうなったら社長に直談判するしかない。
バッグを掴み立ち上がった。
「どうしても間違いを正したい?」
部屋を出ようとしたところで笑い声がピタリと止み、地を這うような低い声が背中から響いた。
振り返って見た中谷マネジャーの目が不気味に光って、無意識に後ずさる。
でも、ここで怖気づいては話にならない。
なにを言うつもりかは知らないけれど、訂正してくれるというのならと思い小さくうなずいた。
「それじゃ、その場で着ているものを全部脱いでみなよ」
「――え!?」
想像を超えた要求に声が裏返る。
ここで裸になれだなんて、あまりにも度の過ぎた取り引きだ。
「それができたら、間違いだったってみんなに言ってやるよ」
私が身じろぎひとつできないでいると、中谷マネジャーが不敵に言い放つ。