【完】姐さん!!
だめだ、甘すぎる。
隣の女子会してる女の子たちが、衣沙の発言聞いて赤面しちゃってるから……!
「あ、りがとう」
「どういたしまして」
なんだか、むずむずする。
女の子って付き合ったら自然とそうなるもの?
衣沙と付き合ってから、無性に抱きしめてほしくなったり、キスしたくなったりする。
いまだって……キス、したい。
「衣沙、」
いやでも、人前だし。
待ち合わせした時も人目があるからって額にキスだったし。……そもそもここお店の中だし。
「次、お家デートがいい……」
「え。家がいいの?」
だって外だと、キスしたいときにキスできない。
……付き合った時には、まさかここまで自分が積極的になるなんて思わなかった。
「……だめ?」
「だめじゃ、ないけど」
衣沙は何か言いたげな顔をして、それから「なるみに限ってそれはないか」と独り言。
意味がわからなくて、きょとんと首をかしげるわたし。
「じゃあ、つぎお家デートな」