【完】姐さん!!



そうこうしているうちに、どうやら衣沙の中で結論が出たようで。

うなずくと、「ほらはやく食べな」って笑うから、その笑みにまたドキッとするけれど。



「はぁい」



おとなしく食べ進める。

わたしばっかり食べて衣沙が食べようとしないから、途中で「あーん」って差し出したりして。



「ずっと見られてたな、隣から」



「うん、結構ガン見されてた」



食べ終わって店を出たあと、話題は隣の女子会グループのことになる。

チラ見どころか、ガン見されてた。



……イケメンって大変なんだな。




「かわいい彼女で羨ましいってさ」



「え? そんなこと言われてないでしょ」



「なに言ってんだよ〜。

『生まれ変わったらあんなに可愛い女の子になってイケメン捕まえたい』って言われてたじゃねえの」



……そうだったのか。

こそこそと何か言ってたのは知ってるけど上手く聞こえなかったから、てっきり衣沙のことを絶賛してるのかと思ってた。



「さて、このあとどうする?

なるみがそういうの好きかと思って夜景見に行こうと思ってたんだけど、まだ結構時間あるな」



「え、夜景見に行くの?」



わたしが行きたいと言ったのは、水族館だけだ。

あとはすべて衣沙にお任せしてあったんだけど、まさか夜景までプランに入れてくれているとは。



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