【完】姐さん!!



それ、って。

あの日の、告白の、はなし……?



「どうせもう1回言うなら、かっこよく決めてやろうって思ってたんだけどさ。

……なるみに告白しようって思ったら、何回考えても、これ以上の言葉出てこなくて」



「衣沙……」



「ほらなるちゃん、返事は?」



両頬を包み込まれて、こつんと額が触れ合う。

すきって気持ちが、言葉だけじゃなくてこうやって態度でも、ちゃんと伝われば良いのに。



「もう、とっくに……衣沙の彼女、です」



「ふはっ。確かにそうだわ」




ぎゅうっと抱きしめてくれる衣沙。

夜景を見に来たはずなのに、わたしたちも完全にふたりきりの世界だ。



「キス、したい……」



だから、今日顔を合わせてからずっと思ってたことを口に出しちゃうのも仕方のないことで。

ちょっとだけおどろいたような顔をした衣沙は、とびっきり甘い笑顔をわたしに寄せた。



重なるくちびるも、ときおり囁かれる「すきだよ」って言葉も、ぜんぶぜんぶ、わたしだけのもの。

誰かに渡してなんて、あげないから。



「……愛してますよ、衣沙くん」



「っ……なるちゃんそれずるい」



責任とって、ちゃんと、愛してください。



【あらためまして、初デート Fin.】



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