【完】姐さん!!
……けど、さすがにこれは予想外だ。
「ねえねえニナちゃんが女の子と一緒ってどういう心境の変化ー?
優しく恋愛相談乗るタイプじゃないじゃーん」
「うるせーな。
迷惑がられてんだから大人しくしとけよ」
ニナさん改め、勢川(せがわ)ニナくんは、やっぱり冬霞の関係者。何なら上から2番目の人だった。
霧夏と冬霞には、ひとつまったく違う点がある。
霧夏に関しては、トップがひとり。
その下はトップと仲良しな子達が主要メンバーとなってはいるものの、基本的にフラットでフレンドリーな構成だ。
それと違って、冬霞には幹部と呼ばれる上の人間が5人。
緋雨くんとニナくんをふくむ5人で、ニナくんが連絡した時にみんな一緒にいたらしく、残りの3人もついてきた。
ということで。
現在ファミレス、6人で居座ってます。
「わたしが言えることじゃないんだけど……
みんな授業サボってたの?」
「俺らサボり常習犯だしな。
お前もサボってたから会ったんだろ?」
「……サボってたのは、確か、なんだけど。
ちょっと、衣沙と色々あって」
今日のことを話すなら、わたしたちの関係からすべてを話さなきゃいけなくなる。
どうしようかと思っていれば、ちょうどタイミング良く運ばれてくる料理たち。
「……なるみちゃんってー。
そもそもなんでトップに立ってるの?」
ふー、と。
息を吹きかけてすこし冷ましてからグラタンを食べているのは、牧野 懍(まきの りん)くん。
やっぱりあの噂は有名らしく、顔を合わせて早々に『こんな美人さんが西のトップなの?』とまで聞いてきた。
……美人はさておき、噂は一応近いわけで。