ふたりのエース

3,太田若菜

ビュンと音がする。


音が聴こえてすぐに私のマスクに軟球がぶつかった。




「大丈夫か?」

それはいつも私の前にいた人の声。


「無理かも……」


「そっか……無理すんなよ?お前が下手なんじゃなくて俺が上手すぎるんだから。」


彼はのびてる私に優しく笑ってくれた。
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