ふたりのエース
ガチャリと部室のドアが開く。


入って来たのは鈴君だった。


「あ、若ネェ。球磨き?」


「うん。鈴君は?」


「バッティンググローブを取りにね。」

そう言うとバッグから手袋を出した。


「さっき悠が呼んでたよ。」


その言葉に手袋をはめる手が止まった。


「………兄さんは?」
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