風の歌
第①章
=変わらぬ日常=
「おはよっ!」
2階の階段から
制服に身を包んだ少女が
1階にいた少年に挨拶をした。
「おはよう海里。今日も元気だな」
少年は少し笑顔で言う。
海里はへへっと照れると
階段を降り朝ご飯が並べられたテーブルの前に行く。
「今日も美味しそうだね!」
と言うと、すぐさまイスに座った。
少年は海里の真向かいに座る。
「今日は、母さんも父さんも新しい子供が来るからって朝早くから出てったからさ、俺たちだけ」
「わかった。」
2人は箸を手に持つと
「いただきます」
と言って朝ご飯を食べはじめた。
今日のメニューは
白ご飯
あさりの入った味噌汁
卵焼き
ミニトマト
ホウレン草のお浸し
である。
この2人は兄弟ではない。
桃原海里(ももはらかいり)――海里と呼ばれる少女はもとはこの国ではない
別の国に住んでいた。
しかし、今は停戦状態になっている戦争によって
この国にやって来た。
海里と共に朝ご飯を食べているのは、蒼井陸(あおいりく)という17歳の少年で、両親が家で孤児院を経営している。
海里も孤児としてこの家にやって来た1人である。
2階の階段から
制服に身を包んだ少女が
1階にいた少年に挨拶をした。
「おはよう海里。今日も元気だな」
少年は少し笑顔で言う。
海里はへへっと照れると
階段を降り朝ご飯が並べられたテーブルの前に行く。
「今日も美味しそうだね!」
と言うと、すぐさまイスに座った。
少年は海里の真向かいに座る。
「今日は、母さんも父さんも新しい子供が来るからって朝早くから出てったからさ、俺たちだけ」
「わかった。」
2人は箸を手に持つと
「いただきます」
と言って朝ご飯を食べはじめた。
今日のメニューは
白ご飯
あさりの入った味噌汁
卵焼き
ミニトマト
ホウレン草のお浸し
である。
この2人は兄弟ではない。
桃原海里(ももはらかいり)――海里と呼ばれる少女はもとはこの国ではない
別の国に住んでいた。
しかし、今は停戦状態になっている戦争によって
この国にやって来た。
海里と共に朝ご飯を食べているのは、蒼井陸(あおいりく)という17歳の少年で、両親が家で孤児院を経営している。
海里も孤児としてこの家にやって来た1人である。