風の歌
「海里はいつでも、笑顔で皆に接するだろ?」
「‥そうだっけ?」
「ああ」
うなずく。
「海里がいつも笑顔で明るいから、父さんも母さんも「元気がもらえる」って言ってた」
嬉しそうに言う陸。
「海里がいなかったら、孤児院続ける自信なかったって」
「え!?少し大袈裟じゃない?」
「それだけ海里の存在が大きいってことなんだよ」
何か照れるな‥‥
「海里は、父さんと母さんにとって実の娘も同然なんだ」
実の娘―
そんな風に言ってもらえるなんて…
私は何て幸せ者なんだろう。
目頭が熱くなるのを感じた。