風の歌
「陸…ありがとう」
ぎゅっと陸の服の端っこを引っ張る。
「元気出た?」
こくりと頷く。
「良かった。」
微笑む。
「…私が悩んでるのわかってたの?」
「まぁ、9年も一緒にいたらちょっとのことでもわかるもんだぜ?」
「そう〜?私は陸が落ち込んでても絶対わかんないなぁ〜?」
「それはひどいな〜ショックだぜぇ〜」
笑いあう2人。
…陸は優しい。
見た目はクールで冷たい感じがするけれど、とっても心が温かくて一緒にいるだけで安心できる。
母さんのことを思い出して悲しくて泣いちゃった時
転んで膝を擦りむいた時
おじさんに怒られて落ち込んでた時
どんな時でも、陸は私のことを気遣ってくれた。励ましてくれた。
何度彼に救われたことだろう。
きっと
数えても数えきれないね!