風の歌
『わかった。教えてくれてありがとう!』
空を見た。
「名前、わかりました」
「…もう良いのかい?」
「完璧です!」
「じゃあ、答えてもらおうか」
「銃のARMSが「ウェルヴィン」で、グローブのARMSが「カイザー」です。…どうですか?」
少し不安そうに空を見た。
「…正解だね。これで、海里ちゃんの能力は証明された」
微笑む空。
「俺達のARMSも、喋れるんだな」
「何て言ってるか訳してあげましょうか?」
「できるのか!?やってくれ!」
嬉しそうにする。
『陽に何か言いたいこと、ある?』
ウェルヴィンを手に取る。
『そんな急に言われても困るのだが…。ふむ‥強いて言うならば、私を磨くときはもう少し丁寧に扱ってくれ…ということか?』
『わかった』
陽を見た。
「言いますよ?」
「……ああ」
ゴクリと唾を飲み込む。
「私を磨くときはもう少し丁寧に扱ってくれ…と言ってますよ」
「あ〜やっぱそう思うのか…。ごめんな、今度からは気をつけるよ」
『まぁ陽は大雑把だから無理だろうがな』
「…それも言っちゃっていいの?」
苦笑いする。
『言うな!!』
声だけでもあせっているのがよくわかる。
クスッと笑う。
『うん、言わないよ』
「何だ?隠し事かよ?ひどいなぁ」
ぶーたれる陽。
「ごめんなさい。ウェルヴィンが「言うな!」って止めるから…」
「…気になる」
じ〜とウェルヴィンを見る。
『…見られても困るのだが……』
海里はウェルヴィンをテーブルに置いた。