風の歌
「何であんたみたいな性格の根暗野郎がARMSの共鳴者なのかほんっっとに不思議だわ!!マサムネもこんな奴のARMSだなんて可哀相ね!!!!」
「勝手に根暗って決めつけんじゃねぇよ。ったく、自分の解釈だけで他人を計るなよな。これだから大馬鹿は…」
「………」
「…止める?」
2人を指差して言う。
「俺には無理だ…」
「何で?ヘリ乗ってる時ケンカ止めたんでしょ?」
長い溜め息をつく陽。
「俺、自分で思ってるよりナイーブみたい…」
「やだ陽ったら!陽がナイーブなのは、私わかってたわよ!」
「…そうなの?」
笑顔で頷く女の人。
「…あっ、いけない!大事なこと忘れてたわ!!」
パンッと両手を叩く。
「どうかしたのぉ?」
女の子の肩をガシッとつかんだ。
「日和!私達、海里ちゃんにまだ自己紹介してないわっ!」
「おぉ!そうだったねぇ!!」
「じゃあ早速自己紹介しましょう!」
「はぁーい!!」
ケンカ中の2人に近付こうとする。
「‥その前にケンカ止めないのか?」
「大丈夫よ!自己紹介ついでに止めるから♪」
「…」
大丈夫なんだろうか?と不安そうに2人を見守る陽。
空は3度目のお茶のおかわりを飲みながら、笑顔で皆の様子を見ている。
「ちょっと2人共、いいかしら?」
「‥んだよ?」
笑顔で海里と星の間に割って入る。
「どうしたんですか?」
…あっ!ケンカがうるさかったのかな?悪いことしたかなぁ…
海里は怒られるかと思い、少しビビる。
「2人共…」
女の人は2人をじっと見た。
「…?」
「ケンカする前に、私達の自己紹介を聞いてくれるかしら?」
「へ?」
怒られるかと思っていたので拍子が抜ける。
「ケンカはその後に続けていいからね!」
「よくないだろ…」
小声でツッコミをいれる陽。
「月は本当に天然だねぇ〜」
いつの間にか、陽の隣りに空が来ていた。