風の歌
「四季!!!」
入口に向かうと、女の人が横たわっていた。
何人かの人が治療を施している。
!この人、私と同じ赤…というより紅い髪……
血まみれの女の人に目が釘つけになる。
「四季!!大丈夫か!?何があった!!?」
「……ごめ………取られ…た……」
「何が取られたんだ!?」
「見つけたの……ARMS…持って帰ろうと思った…んだけど………」
弱々しい声で喋る女の人。
「いきなり…日の国の機関‥の奴等が現れて……ARMSが………奪われたの…。多分‥追跡されてた……」
「………そうか…わかったよ。ごめんな四季……お前を、1人で行かさなければ良かったんだ。僕のミスだ……すまない………」
目を伏せる空。
「いつもは機関の奴等、いないのに‥どうして今回は…!?」
「…わからない。だけど油断していたのが駄目だったんだ。いつもこんなことは無いから……」
「空さん!大体の治療はできました!!医務室に運びます!」
女の人は担架で運ばれていった。
月と陽は走ってその後に着いて行った。
「…てことは、ここの場所がバレたってことか?」
星が言う。
「その可能性もあるね…だとしたら非常にやばい」
「……」
不安になる海里。
「………空、四季が回復したら機関に突っ込むぜ」
医務室に向かって歩き出す。
「…星?」
「ARMSはあいつらに渡さねぇ!絶対に取り返す!!」
背を向けているため表情は見えないが、その言葉には怒りが込められているのがわかる。
「…わかった。任せるよ」
真剣な顔つきの空と星。
『何だか大変な事になりそうだな』
呟くヴァンナー。
「うん…」
3人は医務室へと移動した。