風の歌
第③章
=友への手掛かり=
「本気なの?陸!!」
深夜…孤児院――海里が暮らしていた家で、窓から出ようとする陸の腕を風歌が引き止めた。
「本気さ。言ったろ?冗談何かじゃないって」
「でもそんなの危険だわ!」
「危険なのはわかってる。‥でも、あれから寝る間も惜しんで調べて、やっと手にした情報なんだ」
キッと風歌を見る。
「もしかしたらそこに海里はいないかもしれない。間違った情報かもしれない…」
「だけど、それしかないんだ!俺は海里を連れ戻す!!」
「…」
手を離す風歌。
「でも、陸が突然いなくなったら家族や皆が悲しむわ…」
「……もう十分悲しんでる。俺がいなくなったって大した変わらないさ」
「そんなことない!!」
「!」
「陸の馬鹿ぁ‥陸までいなくなったら…私……私………」
今にも泣き出しそうな顔になる。
「だっ、大丈夫だって!必ず海里を連れて帰って来るから!風歌は何も心配することないんだ!」
慌てる陸。
「嫌!1人で行かせるもんですか!!」
再び陸の腕を掴んだ。
「風歌…」
弱ったな…
困り顔の陸。
「どうしても行くって言うなら、私も行くから!!」
「え!?」
驚く。
「本気だからね!言ったでしょ?「1人で行かせるもんですか」って!!」
「駄目だ!」
首を横に振る。
「何で駄目なの!?私だって海里の友達よ!連れ戻したいって思うのは当然でしょ!?」
「…風歌は戦えないだろ?きっと、目的地に着いたら戦うこともあるはずた。悪いけど……足手まといだ」
「…足手まとい?」
頷く陸。
「私、足手まとい何かにはならないわ」
「でもそれは‥」
「戦えればいいんでしょ?」
目付きがいつもの穏やかな風歌と違う。
深夜…孤児院――海里が暮らしていた家で、窓から出ようとする陸の腕を風歌が引き止めた。
「本気さ。言ったろ?冗談何かじゃないって」
「でもそんなの危険だわ!」
「危険なのはわかってる。‥でも、あれから寝る間も惜しんで調べて、やっと手にした情報なんだ」
キッと風歌を見る。
「もしかしたらそこに海里はいないかもしれない。間違った情報かもしれない…」
「だけど、それしかないんだ!俺は海里を連れ戻す!!」
「…」
手を離す風歌。
「でも、陸が突然いなくなったら家族や皆が悲しむわ…」
「……もう十分悲しんでる。俺がいなくなったって大した変わらないさ」
「そんなことない!!」
「!」
「陸の馬鹿ぁ‥陸までいなくなったら…私……私………」
今にも泣き出しそうな顔になる。
「だっ、大丈夫だって!必ず海里を連れて帰って来るから!風歌は何も心配することないんだ!」
慌てる陸。
「嫌!1人で行かせるもんですか!!」
再び陸の腕を掴んだ。
「風歌…」
弱ったな…
困り顔の陸。
「どうしても行くって言うなら、私も行くから!!」
「え!?」
驚く。
「本気だからね!言ったでしょ?「1人で行かせるもんですか」って!!」
「駄目だ!」
首を横に振る。
「何で駄目なの!?私だって海里の友達よ!連れ戻したいって思うのは当然でしょ!?」
「…風歌は戦えないだろ?きっと、目的地に着いたら戦うこともあるはずた。悪いけど……足手まといだ」
「…足手まとい?」
頷く陸。
「私、足手まとい何かにはならないわ」
「でもそれは‥」
「戦えればいいんでしょ?」
目付きがいつもの穏やかな風歌と違う。