風の歌
「…風歌?」
「陸、その木剣で戦うつもりだったの?」
腰に下げてある木剣を指差す。
「…ああ……」
「陸も見たでしょ?海里と、黒服の人達のARMSを‥そして、憑物という生命体…」
「そんな弱い棒1つで海里を救うなんて、無理な話よ。たちうちできるはずがない」
「…そう…だろうな…」
黙る陸。
「だけど私にはある」
「?」
「私には、対等に戦える武器がある」
「対等…って…」
何言ってるんだ?
「…」
窓から外を覗く風歌。
「…行くなら今ね」
「え‥?行くって‥どこに?」
「日の国ARMS本部!」
風歌は微笑むと、陸を引っ張り窓から飛び下りた。
その瞬間、2人は風に包まれその場から消えた。