風の歌
慎重に進むアリアドネのメンバー達。
『感じる…』
「どうしたの?」
メルフェンサーを手に取る海里。
『奪われたARMS…そして共鳴者も、この建物の中にいるわ』
「…え!?」
星はメルフェンサーを見た。
「陽!ちょっと待って下さい」
ピタッと足を止める。
「どうかしたか?」
「今メルフェンサーが、四季さんが見つけて奪われてしまったARMSの共鳴者が、この建物の中にいるって…!」
「!!」
驚く陽達。
「仕事が増えたな…」
にやりと笑う星。
「共鳴者が政治機関の奴らの可能性もあるわけね?」
「だとしたら、簡単にARMSと共鳴者を運び出すのは難しいな…」
腕を組む陽。考える。
「まだ共鳴してないのよね?」
「どうなのメルフェンサー?」
『まだ…共鳴してないわ。でも、時間の問題ね』
「まだ大丈夫らしいです。でも、早くしないと…!」
「場所は分かるか?」
「場所まではわからないです…」
「わかった。急ぐぞ皆!!」
「‥どこに急ぐのかな?」
「!!」
「ARMS使いとやらは貴様らか…」
いつの間にか、大勢の兵士に取り囲まれていた。
「どういうことだ!?敵の気配はなかったはずなのに…」
全員ARMSを構える。
「くく…ARMSは頂くぞ!!」
星は舌打ちをした。
「陽、どうする?人数圧倒的に向こうが多いぜ」
「皆、数が多過ぎるから四季に任せる!詠唱の邪魔をさせないようにガードしろ!詠唱が終わるまで、持ち堪えろ!!」
「いくぞ!!ARMSを傷つけることなく手に入れろ!!」
斬りかかってくる兵士達。それに合わせてカウンターをする星。
「…!」
足手まといになっちゃいけない!!
銃口を兵士達に向ける。
『海里、落着けばちゃんとやれるさ!』
『私達を信じて!』
「わかった!」
大丈夫!できる!!
兵士を睨む。