風の歌
風歌、緊張してるのかな?…でも、名前言うくらいどってことないような……
何で何も言わないんだろ?

海里は不思議に思う。



「っあの…!」


やっと口を開いた。


「何?」

「……私…あの…」


だがまだハッキリしない。





「緊張してんのか知らねぇけどウゼー。ハッキリ喋りやがれ」

「はぁ!?風歌はウザくないわよ!本当あんた最悪!お前がウザいっつーの!!」


大事な友達をけなされ怒る海里。星を睨む。


「最悪で結構。俺は事実を述べたまでだ」

「あんた何様!?風歌を悪く言う奴は誰だろうと許さないわよ!」

「…はいはい。友達思いのおめでたい奴だな」


海里の言葉を軽く流す。


「こっの…!ぶっ飛ばす…!!」

「2人共!喧嘩しないの!!」


月が間に入る。


「…あ、ごめんなさい……」


すぐ謝る海里に対して、星は無視してそっぽを向く。


「…」


四季はどうでもよさそうに地面をただ見ている。
陽は苦笑いしっぱなし。


「海里…ごめんね。私がハッキリしないから……」

「そんなことないよ!あいつが悪いんだもん!」

「俺は悪くねぇっての!」

「だからぁ!喧嘩しないの!!」


「………」


怒鳴っている海里を見たことがない陸は、驚いて口が微妙に開いたままである。


「じゃあ私達が先に自己紹介するわね?聞いててくれるかしら?」

「はい…何だかすみません」

「気にしなくていいのよ?」


ニコッと微笑む月。
その笑顔は同じ女でもドキリとしてしまう程綺麗であった。


(陽は月の笑顔に惚れたのかな〜?)

とか思う海里。



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