風の歌
「私は水樹月。この人は貴島陽で、あっちにいるのが紅雷四季。あと、海里と喧嘩ばっかりしてる態度悪い男が、柴崎星よ」

「サラッとムカツクこと言うなてめぇ…」

「だって態度悪いのは本当の事じゃない。初対面のしかも女の子に何でそんな冷たい態度とるのかしらね?そんな人に育てた覚えは微塵もないのにお母さん悲しいわ。だから仏頂面なのね…」


哀れんだ眼で見てくる月。


「…育ててもらった覚えねぇし、お前に仏頂面言われる筋合いもねぇよ」


怒ったのかはわからないがツッコミをいれてるようにしか聞こえない。



月って、面白いな〜
顔に似合わず酷いこと普通に言うしね…

人は見かけによらないな!


「声に出てるぞ海里」


陸が言う。


「え?!嘘っ?」

「大丈夫。月には聞こえてないから」

「あ…なら良かった……」


苦笑いする。


「俺には聞こえてたけど?」

「あ、陽聞こえてた?」

「まぁ…海里ちゃんがそう思うのも無理ないからなぁ。あいつ、面白いことたくさん言うんだよ。特に星に対しては毒舌きまわりないぜ」

「……すみません、それって星に嫉妬してるって解釈してもいいんですか?」

「いやいやいや!嫉妬してないからね?」


慌てる陽。動作が面白い。

陸は2人の会話で陽と月は付き合っていると理解したようだ。













ふと、風歌を見る海里。

「…?」

風歌は何かを真っ直ぐ見つめている。

その視線の先を辿る。






「…………え?」


その視線の先にあったものは……



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