風の歌
「風歌、星を見てるの?」
「!」
その海里の問い掛けにハッとする風歌。
全員、風歌を見た。
「ち、違うの!ただ、≪生きてた≫んだと思って…」
そう言った後、すぐにヤバイ!っという表情をし、慌てて両手で口を押さえた。
「…は?」
眉間に皺を寄せる星。
生きてた?何が?どういう意味??
わけが分からず星を見る。
「………」
微妙な沈黙が流れる。
沈黙を破ったのは星だった。
「てめぇの名前を言いやがれ!」
睨みながら言う。
「…………」
瞳を上下に動かす風歌。まさに挙動不振そのもの。
風歌って、星のこと知ってたのかな…?
でもそうだとしたら、どこで知ったんだろ?
「………わかりました。言います……」
観念したかのように言い、星を見た。