風の歌
「……………」


頭を抱える陽。


「…月はどっちなの?」

おもむろに海里が聞いた。


「私?私は、陽が決めたことに従うだけよ。共鳴者としてのリーダーは陽だもの。連れてかないなら連れてかない。連れていくなら連れていくで、言う通りにするだけよ」

「へぇ…」





すると、バンッ!と陽が自分の両頬を叩いた。

驚く風歌。


「いつまでも悩んでたら帰るのが遅くなるからな。…だから決めた!」


立ち上がる。そして風歌を見た。


「皆、文句なしだからな?」


頷く海里と陸。四季と星は頷かない。





「………連れて行く。いいな?」


「有難うございます…!」


喜ぶ風歌達。


星は舌打ちする。四季も納得いかないようだ。


「だけど、正式に仲間になってもらうかは空に決めてもらう。だからまだ喜ばない方がいい」

「……はい」


真剣な表情になる。


「まぁとりあえず、それまでは宜しくね風歌♪」


笑顔で挨拶する月。


「はい。宜しくお願いします」


風歌も笑顔で返す。


「やぁ〜だぁ!やっぱり可愛いわこの子!!その笑顔反則よ!鼻血でちゃうわ!!」


萌え!萌えるわ!とか言いながらいきなり風歌に抱き着く始末。

苦笑いする陽。
陸も海里も月の行動に驚いている。
抱き着かれた風歌は目をパチクリさせている。







「月…もう行くぞ。風歌ちゃんから離れろ」


無理矢理2人を引き離す。


「あ!ごめんなさい。あまりの可愛さについ……」

「だ、大丈夫です…」


まだ風歌は驚いているようだ。



やっぱ月って、面白いけど…変な人かも……


世の中いろんな人がいるんだな。と思った海里であった。

















7人はARMS研究所に向かって再び歩き出した。














しかしここから
全てが動き出す事になる

それをまだ
海里は知らない……






< 74 / 100 >

この作品をシェア

pagetop